公証役場から連絡が来た。
下書きができたので、(下書きはメールで送ってもらえた)相手と一緒に来ていただき、内容に不備がないようであれば、判を押してもらいたいと。
公証役場は当然のことながら、平日しか開いていない。仕事をしている身としては平日の開館時間内に都合をつけることはとても大変だった。
裁判中でもあるから、何度も平日に出廷することになるんだろうな…。と思っていた。
職場に頭を下げ、休みをもらうことは心苦しい。休みをもらうことに理由を述べる必要はなかったが、何とも言えない気持ちだった。
夫に、一緒に公証役場に行こうという旨を伝える。
「公正証書ができたみたい。平日しか行けないからあなたの仕事の調整ができる日はいつ?」
「なあ、レイ。それ本当に必要?もうレイには気持ちほとんどないからそんなもの作っても意味をなさないと思う。うん。やっぱり必要ないな。行かない。」
「何言ってるの?誓約書を作るときに公正証書にしようって言ってたのに、それも守らないの?」
「俺には、不利でしかないものを何で作らないといけない?」
「不利、有利今関係ある?」
「気持ちないから作らない。行かない。誓約書は作ってしまったから守るけど、あの時の俺はどうかしてたな。」
何という事だ。やはり時間がかかることはダメだった。夫の罪悪感が薄れ、自分はそんなに悪くなく、不倫をしたのは妻のせいという思考が固まってしまった。
自己愛性パーソナリティー障害なんじゃないだろうか。
結局、公証役場に二人で行くことはできず、誓約書を公正証書にすることはできなかった。
コメント