内容証明を送った後数日間、私は普段通りの生活を送っていた。
ゴールデンウイークが近かったので、夫と子どもとどこへ出かける?という話もしていた。
ただ、夫の様子はどこかぎこちなかった。
家族で出かけることを明日に控えた夜、夫に最近の様子が変なことを聞いてみた。
「何かあった?体調がすぐれないとかあるの?明日のお出かけ延期しようか?」
「ーーーレイ。何か知ってる?」
急な問いかけだったが、何のことかさっぱりという表情を作った。すると
「家族をやめたいんだ。」
しばらくの沈黙。何を言っているのだろう。子どもが同じ部屋にいるのに!!
「ちょっとこっちに来て。」
子ども達には寝室に行って寝るように伝える。
私は携帯のボイスレコーダーを起動した。
夫は私が不倫相手に内容証明を送ったことを知ったようだ。
だが、頑なに『不倫じゃない、風俗だ、付き合いでそういうところに行った』といい、不倫を認めなかった。
私は悲しかった。夫も大多数の不倫する人と同じだった。
何かテンプレートでもあるのかと思うくらい、不倫否認の御託を並べだした。
私もここで相手にしなかったら良かったのかもしれない…。
「調査機関に頼んでいる。証拠があるんだよ。私が何も知らないと思ったの?」
ーーー言ってしまった。悪手だったと今では分かる。しかし、その時は夫の言い訳や嘘を聞きたくなかったんだろうと考えられる。
だが夫は、聞き取れないくらいの小さな声でごめんといった後、でもと続けた。
「そんなに何回もしてないよ。付き合いも短いし。」
平然と嘘をつくんだと白けてくる。5年も続いている人が何を言ってんだ。
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