弁護士と話す

  • URLをコピーしました!

私の担当になってくださった先生は男性で、比較的若い印象を受けた。

「はじめまして。レイさん。探偵事務所から紹介を受けました、○○法律事務所のAと申します。よろしくお願いいたします。」

私は仕事帰りの車の中で話をしていた。といっても、またまたコインランドリーの駐車場に停め、携帯で電話しているのだが。
こういった形でないと、電話できる状況を作れないのだ。
…家には夫がいる。もう、子どもを迎えている。早く帰らないと。

「レイさん。探偵事務所からはいくらかは聞いていますが、レイさんの口から聞かせてください。ご主人とはどうなりたいのですか?」

「私は…、今は修復したいと思っています…。ですが、私の行動を間違うと、子どもから父親を奪うことになってしまうかも知れません。それが怖いと思っています。また、ただの情かもしれませんが、私はまだ夫と離れたくないと思っています…。」

たどたどしく伝えていたと思う。自分がどうしたいのかの方向性を決めないと弁護士先生も動けないだろう。

こんなことをされていても、私はまだ夫と離れたくないのだと思った。証拠を取り続けている間、何度となく傷つけられ、自己肯定感は下がる一方だが、仕事はあり、ふさぎ込む姿を子どもや夫に見せるわけにはいかない毎日。こんな満身創痍の状態でも、夫と一緒にいたいと思っている…。

執着なんだろうか。

弁護士先生と話している間に、ふとそんな考えがよぎった。

「レイさん。不倫相手に内容証明を送ります。しかし、そこからすぐに裁判になるわけではありません。不倫相手がそれで引き下がることもあります。」

それは、私が最初望んでいたことだった。夫と不倫相手が別れ、しっかりと反省し、態度を改めてくれたら、責めることはしないでおこうと思っていた。夫に対してはだ。

私も多くの女性と同じだった。

ーーーまずは不倫相手に反省を。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次