調査日当日

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準備は万端。

平日なので、私はもちろん仕事だ。夫は今日の仕事は遅く出て大丈夫だからと私を見送った。

子どもたちは学校や保育園。

日中は私は仕事に没頭する。というかミスが許されないような環境なので、集中せざるを得ないのだ。余計なことを考えないで済むので良いのかもしれないが…。

休憩時間、携帯を見た。LINEの通知が溜まっていることに気が付いた。確認をしてみる。探偵事務所のカウンセラーさんからの連絡だった。

「ご主人は、女性と待ち合わせをしてカフェに入られました。」

ーーーあぁ、やはり仕事ではなかった。

何とも言えない気持ちだった。

しばらくの時間、ぼんやりしていた。休憩時間が終わる。仕事に戻らないと。

また、仕事に没頭し、夕方近くまで集中していた。「考えないようにする」という選択肢さえ出ないくらい集中して業務を遂行した。

仕事が終わって携帯を確認する。再び通知が溜まっていた。

「ご主人は、女性とホテルに入られました。

ーーーはぁ。

決定的だ。何なんだよ。妻が仕事で忙しくしているときに、何やってんだよ。私、一体、何のために…。

口汚く罵りたかった。でも、今はまだ職場だ。カウンセラーさんからは、続いていくつかメッセージが来ていた。

「今晩、お電話可能ですか?」

ーーーはい。可能です。よろしくお願いいたします。

のろのろと頼りない指先でメッセージを打つ。今晩、どんな話をすることになるのだろう。なぜかはわからないが、怖さを感じていた。

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