冷静に、冷静に。

自分の携帯の録画ボタンを押し、夫と相手のトークルームを録画していく。スクロールしながら、ところどころ読む。

手が震える。頭が熱くなる。それに対して体は寒さを感じていた。
あまりにもショックを受けると、私はこうなるんだと思った。うまく体を動かせない。
冷静にならなくてはならない。考えて動かないと、もしかしたら最悪の結末になるかも知れない。

子どもが寝言を言いだした。録画は終わっている。今日はここまでにしよう…。
夫の携帯画面を元に戻し、枕元に携帯を置いた。

子どもをあやしながら、５年前からという事実が頭の中をぐるぐるまわっていた。

５年前って何してた？どんな夫婦関係だった？そんなに不満だった？なんで？どうして？

たくさんの「なぜ」が湧いてくる。

録画した内容をしっかり読めていないこともあり、私はまだ夫の事を信じていた。

プラットニック不倫かもしれない。

自分を落ち着かせたいのだろう。ネットで自分が安心できる情報を読み漁るようになった。