方向性の決定

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調査を終えての電話だ。私は緊張していた。

いつものようにコインランドリーへ行く用事を作り、外へ出ていた。慣れたものだ。

駐車場で、カウンセラーさんに電話をかける。3回ほどコール音が鳴って、カウンセラーさんが出てくれた。

「レイさん、ご主人は不貞をされています。この調査で”何もしていない”は通用しません。ただ、一回の調査では”一回だけだ”と言い逃れされる場合があります。」

私もいろんなサイトやSNSを見て、情報を集めていた。実際に一回だけだったという事になり、慰謝料額を下げられた事例もあった。

「レイさん、調査はもう一度行った方がいいと思います。夫や不倫相手に何も言わせないほどの証拠を突きつけるといいと思います。また、今回の調査で分かったことは、ご主人や不倫相手は全く警戒していないという事です。レイさんが今までご主人の事を調べていたことは、何も気づかれていません。」

良かったのか、悪かったのか。夫は警戒していない。裏を返せば私の行動をそんなに見ていないという意味とも取ることができる。

ーーー馬鹿にされている。

夫と不倫相手両方にだ。私はそう感じた。相手の気持ちを思いやれない、自分勝手な人種だ。

「レイさん、不倫相手の住所ですが、相手の使用する駅が閑散としていたため、探偵がいること自体が不自然でしたので、断念せざるを得ませんでした。」

どうやら、不倫相手の通勤に使っている駅は人が少なく、探偵と不倫相手のみということになったそうだ。駅で家族を待っていた不倫相手を追跡するととても目立ったので、切り上げたという。

もう一日調査をすることにした。また、しばらく調査日のを確定するための行動をしなくてはいけないが、慎重ながらもその動きは素早くなっていた。

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