馬鹿馬鹿しい②

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言ってしまった。

私を抱きしめながら、スマホを触っていることを。

何で、そんなことができるのか。

話をしていくうちに、私が嫌がることの話になっていった。

抱きしめながら、スマホを触るなんて論外だし、そもそも夫婦である以上、異性関係についても嫌がるであろうことは分かっていると思っていたけれど、そうではなかったので、この際伝えておこうと思った。

まだ、不倫していることは言わないでおこう。私の嫌がることを伝えて、そこで不倫をやめてくれたら、それでよいのかもしれないとさえ思っていた。

異性と2人で食事に行ったり、過ごしたりすることや、誤解されるような行動は嫌だということを具体的に伝えた。

夫の返答は…。

「俺は、レイが異性と出かけても、何とも思わないけど…。」

だった。

すかさず、「私は嫌だから、やめてね。」と伝えた。

その返答もどうかと思ったが…。

その後、「そういう行動、してないよね。」と聞いてみた。

夫は「してない。」と即答した。

あまりにも早い返答だったので、それも私を落胆させる一因となった。

ーーーー夜中。

夫の携帯を見る。

夫の会社はアプリで出退勤が管理されていて、それを見ればいつ出勤して退勤したのかがわかることが、最近判明した。給料明細もデジタル化されていて、今まで紙媒体で渡されていたのになくなったのはこういうことだったのか思った。

だが、こんなことさえ伝えてくれないことにも悲しくなっていった。聞かないと、教えてくれない関係なのか。

ーーー今日の退勤時間を見る。

「本当に、馬鹿馬鹿しくなってくるな…。」

夫の退勤時間は18時となっていた。通勤時間は1時間ほどだ。

「退勤してから、3時間ほど、どこで何をしていたのでしょうね。」

iPhoneの利用頻度の高い場所を見る。

「…何が、『してない。』よ。」

利用頻度の高い場所は、3時間きっちりとホテル街にいたことを示していた。

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