「相手とはどんな話をしたの。」
ストレートに聞いた。
『昨日、俺が休みの時に連絡が来て。”もう会えない”って。何のことか聞いたら、”弁護士から内容証明が来た”って。』
頭の中は、罵詈雑言でいっぱいだった。が、ここで罵倒しても仕方がない。
「そう。じゃあ、きちんと正直に話して。いつから始まって、どれくらいの頻度だったのか。謝罪の意思はあるのか。今後どうするのか。」
『一年くらいじゃない?頻度は数回ぐらいだよ。食事に行っただけとかある。』
また嘘。
『っていうか、もう調べついてるんだよね。内容証明届いたってことは。弁護士頼んでるんなら、もう俺から話すことは何もない。』
「謝罪も、誠意も何もないってことね。子どもの事は考えていないの。」
『すみませんでした。これでいい? 子どもの事は考えているけれど、こんなことされて、レイに対しては気持ちがなくなったと思う。』
ーーーびっくりした。
なんという思考なんだろう。こんな人だったのだろうか。私が愛した人は。
『気持ちはなくなったけれど、一緒にいることはまだできる。でも、俺の我慢が持つのはたぶん一年か二年くらい。それぐらいには離れたい。』
ーーー自分勝手な、それでいてなんという非道なことを述べるんだろうこの人は。
「あなたから、離婚はできないの。離婚を決めるのは私。あなたは有責配偶者。それを選んだのもあなた。」
ーーー不倫するなら、私ときっちり別れてから付き合えは良かったのに。と、そのくらい言えればまだマシだったのに…。
私は、縋ってしまった。
「私はこんなことされても、まだあなたが好きだと思っている。あなたの事が、とても大事。これから、再構築ではなく、新しく家族を続けていこう。ただ、私はきっとフラッシュバックするだろうし、許せてもいない。いろいろ矛盾するけど…。あなたが心からの謝罪をして、態度にも表してくれるなら、私も許せるように努力するよ。」
精一杯の言葉だった。夫が好きだったからこそ、しんどいことも乗り越えられてきた。夫を大事にしてきたからこそ、いろんな面倒事も引き受けてきた。夫の手を煩わせたくなかったから。
それは、夫も同じように想ってくれていると、思っていたから。
『俺はずっと我慢してきたから…。少し考える。』
今、考えるとこの時に主導権を夫に譲ってしまったのかもしれない。
教訓
こういった話し合いでは、縋らない。
冷静ではいられないのが、一般的ではあると思うが、過去の私にそう言ってあげたい。
今後、夫の屑っぷりが露呈していくことになる…。
コメント